2009年8月11日 (火)

「永遠の0」 百田尚樹

書店に並んでいたのは以前から気がついていたのですが、K君が読んだと聞いて俄然興味が湧いてきました。

永遠の0 永遠の0

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こんな内容だったのか、というのが一番の驚き。
まさか「零戦」とは、表紙からも想像できませんでした。

母親の本当の父、戦死したという祖父はどんな人だったのだろう。
姉からの依頼で調査をすることになる。
祖母の再婚相手のおじいちゃんや母親に気を遣いながらも、調べていくうちに解ってくる祖父の、そして戦争の事実。

優秀なパイロットであった祖父「宮部久蔵」。
そして何よりも命を大事にしていた、故郷に帰るために。
優れた戦闘機であった零戦、しかしアメリカの物量の前に、やがて零戦も旧式化となり苦戦を強いられる。
焦った軍部は、爆弾を抱えて敵に体当たりをする「特攻」という作戦を立てる。
「九死に一生」という言葉があるが、特攻は「十死零生」と言われる正に非情の作戦です。

日本軍の優秀なパイロットはもはや少数になってしまいました。
人命を重視した米軍機のパイロットは、一度経験した失敗を次の戦いの教訓にできます。
しかし、日本の戦闘機のパイロットは、一度の失敗が文字通り命取りとなってしまいます。
その結果、熟練搭乗員を次々に失ってしまったのです。
今思えば、「特攻」が行なわれた時点で結果は見えていたのかもしれません。

読んでいてハッと気がつきました、「似たような小説を読んだことがある!」
軍人仲間から臆病と蔑まれようとも命を大事にしている一方、零戦の操縦技術は一流だった宮部久蔵。
そして、
新撰組の隊士から守銭奴と蔑まれようとも、妻子への仕送りを欠かさず、一方で剣の腕は一流。
「死にたぐねえから人を斬るのす」と言って戦っていた吉村貫一郎。
そう「壬生義士伝」です。
人々の回想で物語が進行するのも似ています。

エンディングもすっきりとまとまっていて好みでした。
久しぶりにこういう物語を読んだなあ。
時期的にも過去を考えるのに最適、マスコミの報道とは別に、先人たちの事を想ってみるのも悪くはありません。

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