2009年6月16日 (火)

「シャトゥーン ヒグマの森」 増田俊也

第5回「このミス」優秀賞受賞作品だそうで、夢枕獏氏絶賛!が買いの決め手でした。

シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫) Book シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)

著者:増田 俊也
販売元:宝島社
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北海道の原生林にある研究用の山小屋。
そこに集まって年越するはずだった土佐姉弟を含めた動物学関係者5人。
羆(ひぐま)に襲われて人間が死んだという予期せぬ事件が発生、土佐 薫の同僚・瀬戸と、西という密猟者?が加わる。

読んだ感想は一言「凄い」につきます、引き込まれました。
今までは「北海道のクマ牧場に居る熊」という程度でしたが、改めて羆の凄さを認識させられました。

山小屋が羆に襲われた、一人また一人と犠牲者が増える。
連絡する手段も武器も無い山小屋で、残虐の限りを尽くす羆。
大自然の中では、所詮人間は羆には敵わないのか。

凄い、ページをめくる手が止まりません。
羆の圧倒的な強さ、大自然の非情さ、仲間が生きながら羆に喰われていてもどうすることもできないもどかしさ。
彼らにできることは、何も無いのだ。

ドキュメンタリーではなく小説だから、気になることもあります。
あのような山小屋に居ながら、武器も、薬も、車も、連絡手段も無いとは?
いくら動物学者といっても、あまりにもタフ。
主人公には甘いが、それ以外には厳しすぎるほど厳しい羆。

でも、そんなことは大きな問題ではありません。
羆の脅威が存分に発揮される中盤は読み応えがありました。
今回は文字通りの一気読み、こんなの久しぶりです。
K君にも薦めてみよう。(もう読んでるかな)

「自然を守る、そのような行為そのものが人間の驕りではないのだろうか」
もちろん、自然を破壊から守っていくという気持ちは大事なのですが、本書を読むとその意味が解ります。

人間の味を覚えた羆が、もう一頭生きていますから、数年後にはまた同じような惨劇が…。

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