2007年4月 5日 (木)

「鬼を斬る‐山田浅右衛門涅槃斬り」 鳥羽 亮

「首切り浅右衛門」という名前は知っていたのですが…。
「御佩刀御試御用役」(ごはいとうおためしごようやく)という役職であったことや、「山田流試刀術」という刀法があったことなどは知りませんでした。

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著者:鳥羽 亮
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実際は、山田家とその一門にて首打ちを行なっていたようですが、代々山田浅右衛門を名乗り、その恨みを一手に引き受ける山田家当主ともあれば相当な精神力が必要であったことでしょう。
「13階段」にもありましたが、人命を奪うということは、かなり魂を消耗する仕事であるということです。
山田家でも、首を刎ねた日の夜は酒宴を催し、酒に酔うことで心をまぎらわせていたとあります。

また、試し切りに使った死体から胆(きも)を取り出し、干して「薬」として売っていたらしいですが、今考えると本当に気味の悪いことです。
まあ、そのような時代であったと納得するしかありません。
現代にこんな風習が残っていたら、移植用にさまざまな内臓を抜き取られていたというのは考え過ぎでしょうか。

打ち首、死体での試し切り、肝臓を取り出すなど、最初はおどろおどろしいことばかりが目につきましたが、本質は違いました。
斬首役とは、鬼になって罪人の首を斬るのではなく、仏となって罪人たちの怨念や妄執を取り除き成仏させる、そのような役目の人であるということです。
凄いものです。

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