2007年10月13日 (土)

「亡国のイージス(下)」 福井晴敏

「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏内に設定されている。
 その弾頭は通常に非ず。」

亡国のイージス 下  講談社文庫 Book 亡国のイージス 下 講談社文庫

著者:福井 晴敏
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日本政府に要求を突きつけるイージス艦「いそかぜ」。

その「いそかぜ」の中で抵抗を試みる「仙石」と「如月」。

息子が政府に殺されたことをきっかけに人生が変わってしまった艦長「宮津」。

影で糸を引く北朝鮮工作員「ホ・ヨンファ」とその部下達。

沈んだ「うらかぜ」の艦長「阿久津」。

決死の作戦を決行する防衛庁情報局の隊員達。

僚機を「いそかぜ」に撃墜されたF15パイロット「宗像」。

「いそかぜ」から、潜水艦「せとしお」に乗り移った「若狭」。

その「せとしお」の艦長「武石」。

そして、会議室で奮闘する防衛庁情報局「渥美」と日本政府のトップといわれる人々。
彼らの選択肢には、六千度の高熱で「いそかぜ」を焼き尽くす究極の作戦も含まれていた。

結末は漫然とは予測していたものの、そこに至るまでの男達のドラマに感動です。
いろいろと気になる点もあるものの、日本はまだまだ成長できるはずとの思いが過りました。
気になる後日談も細かく語られていましたが、このエピローグは、(「終戦のローレライ」でも感じたのですが) もう少しぼかした感じで表現されても良かったかなとも思ってしまいましたが…。

映画の上映から数年、時期的には遅くなってしまいましたが、間違いなく感動をいただきました。

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2007年10月 8日 (月)

「亡国のイージス(上)」 福井晴敏

いつかは読むと決めていた本。
この内容を2時間程度でまとめるのは困難でしょうから、映画もあえて見ませんでした。

亡国のイージス 上  講談社文庫 Book 亡国のイージス 上 講談社文庫

著者:福井 晴敏
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イージスとは、ギリシア神話のなかでゼウスが娘のアテナに与えた防具で、すべての邪悪、災厄を払う力があるという。

イージス艦とは、イージスシステムを搭載した艦艇のこと。
一般には、高度のレーダー探索能力と、この情報を僚艦とデータリンクできること、同時に多目標を処理できること(多数の目標に放ったミサイルを誘導できる)が一番の特徴だと思います。

まずは登場人物の背景から…。
このへんが映画ではできないこと、これだけでかなりの上映時間がかかってしまいますね。
でも、これがあるから小説は登場人物に対する思い入れが違います。

ミニイージスシステムを搭載した護衛艦「いそかぜ」。
その艦に、テロリストが大量殺人兵器を持ち込んでいるという情報が…。
結果的には占拠され、僚艦「うらかぜ」を沈め、戦闘機も撃墜してしまう「いそかぜ」。
艦長「宮津」、テロリスト、それを阻止すべく乗り込んでいた防衛庁情報局工作員、そして護衛艦「いそかぜ」を取り戻すべく帰艦した先任伍長の「仙石」。
その対策に追われる政府関連の各部署。

「いそかぜ」が演習に出るあたりからストーリーは走り始め、読むピッチも上がり始めました。
クルーの知らないところで起きている不可解な出来事。
飛行機事故にあった女性を救出した後、物語は急展開。
日本政府はどのように対応していくのか。

これを読んでいると「日本は、日本国民は、本当にこのままで良いのか」考えてしまいますね。
「国家の一員だという意識も無く、戦争を放棄すればそれで安全を保てると思っている」
考えずにはいられません。
相手が明確なる敵意をもって攻撃してこない限り、いっさいの攻撃ができないという現在の自衛隊。
現実は攻撃を受ければ、全滅かそれに近い被害を受けてしまうのが現代の戦いです。
大いなる矛盾のなかで平和を保っている国、日本。

後半が早く読みたいので、早々に入手の予定です。

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