2008年9月28日 (日)

「天使の囀り」 貴志祐介

表紙など気になっていたのですが、今まで手に取ることはありませんでした。
今回は、「死をモチーフとしている興味深い作品」ということで思い切って手に取りました。

天使の囀り (角川ホラー文庫) Book 天使の囀り (角川ホラー文庫)

著者:貴志 祐介
販売元:角川書店
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アマゾン探検隊に参加した作家の高梨。
彼が、日本にいる恋人の早苗に送ったメールから物語が始まる。
読んでいくと、確かにこのメールには情報が詰まっていたことがわかる。

早苗は病院内のホスピスに勤めている。
ホスピスというと、安らかに死を待つ施設と理解していたが、現実はそれほど甘いものではなさそうだ。
やはり死を待つのは辛いと思う。

アマゾンから帰国した隊員達の3人が自殺した。
しかも各々が生前に一番恐れていた方法で。

一方、パソコンゲームにのめりこんでいるフリーターの信一。
ふとしたことで「地球(ガイア)の子供たち」というサークルのセミナーに参加することに。

線虫(線形動物)というのも概念的には解っていたものの、ここで認識を新たにしました。
脳を支配することにより、心までも変わってしまうとは…。

内容としては医療的な専門用語も多く、じわりとした恐怖を感じてしまいます。
でも、ラストは意外とさわやかな印象でした。
ホスピスという特殊な環境の中で、人間として死んでいくためには、心と体の痛みを和らげるのが一番重要であると思います。
久しぶりに重いテーマの本、読み応えがありました。

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