2008年11月 7日 (金)

「信長の棺 上・下」 加藤 廣

気になっていたのですが、書店の平積みの残りも少なくなってきたので、思い切って…。

信長の棺 上 (1) (文春文庫 か 39-1) Book 信長の棺 上 (1) (文春文庫 か 39-1)

著者:加藤 廣
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

信長の棺 上 (1) (文春文庫 か 39-1) Book 信長の棺 上 (1) (文春文庫 か 39-1)

著者:加藤 廣
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

織田信長公の側近、太田信定(太田牛一)。
彼は毎日、信長公や城内の動静などを仔細に書き綴ってきた。
そこにもたらされた知らせは、信長公の死。
牛一は、ひとまず安土城を出たものの、拉致され監禁されてしまう。
奇しくも彼を助けたのは信長公に代わって天下を取った太閤、豊臣秀吉。
筆の立つ彼は、不本意ながらも秀吉の側で記録を取ることに。

主人公は五十歳を過ぎているし、物語は信長公の死から始まるし、いったいどうなってしまうのか、というのが最初の感想。
でもタイトルからすれば順当な滑り出しか。
この主人公、年齢が高いこともあり、行動が大人です。
人に話を聞くときはどうするか、など見習うべきことが多数あります。

牛一は、ようやく隠居できるようになり、かねてから執筆したかった織田信長公の記録をまとめにかかる。
そして、未だに発見されていない信長公の遺骨を見つけ出すことを決意する。
折好く、秀吉から使いがあり、「信長記」の執筆を依頼される。
秀吉のためではない、信長公の生きた証を未来に残すため「信長記」を完成させるのだ。

このとき主人公七十歳、人間はやはり若い時の鍛錬がものをいうのでしょうか。
(今でも相撲の四股を踏み、鍛錬を続けているらしい)
そして新たな目標を持ったので恐ろしくパワフルに感じます。
読んでいると何故か勇気が湧いてきます。
もっと元気を出して精一杯生きなくてはいけない、惰性で生きているのが恥ずかしい。

下巻から物語はうごき始めます。
無理矢理に秀吉の意見を入れた「信長記」に、牛一は物書きとしての自信を無くしてしまう。
所詮、その場に居なかったものが記すものなど信用できないのでは…。
記録とは、勝者から見た歴史ではないか…。
縁あって暮らすようになった元忍びの女。
女の素性が明らかになってからの牛一は、新たな目標、信長公の遺骨を探し出すことに専念、また元気になっていきます。

人間、このように年を重ねていければ良いなと思います。
自分に対して妥協を許さず、目標を持って生きる。
そんなプラス思考の人間には、人が、そしてチャンスまでもが訪れるのでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)