2008年8月30日 (土)

「幽霊人命救助隊」 高野和明

パソコンの調子が悪く、最近記事を書けませんでした。
今まで大きなトラブルがなかったのですが、こんなこともあるのですね。

さて、
ある書店で大量に並んでいたので、気になって手に取った本です。
今まで存在は知っていたのですが、どうしても手に取れずにいました。
こういうきっかけでの巡り会いは結構多いような気がします。

幽霊人命救助隊 (文春文庫 た 65-1) Book 幽霊人命救助隊 (文春文庫 た 65-1)

著者:高野 和明
販売元:文藝春秋
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天国に行きそびれた4人。
なぜかと言えば、彼らは自殺という手段で自らの命を絶ったからなのです。
天国に行くためには地上で自殺しようとしている人を100人助けなければならない。
それが神との契約。
「最新機器」を手に自殺希望の人々の「治療」にあたる4人。

話としてはよくあるような感じですが、登場人物やレスキュー隊の設定(道具)が面白い。
それにしても、世の中にこんなに自殺予備軍がいるとは知りませんでした。
しかもその中のほとんどが「うつ病」だとは…、嫌でもこの社会の歪みを感じてしまいます。
生前の自分たちとよく似た境遇に遭遇した彼らは、だんだんと自分たちの自殺の動機などを思い出し、考えを巡らせる。

怖いなと思ったのは我々の住んでいるこの「社会」。
弱い人、真面目な人にはとても厳しい、未来の見えないこの「社会」。
改めて指摘されるととても心が痛くなります。

ストーリー的には充分予想できた範囲なのですが、予想を裏切って最後までひっぱられました。
ラストも好みです。

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2006年6月29日 (木)

「13階段」 高野和明

13階段 Book 13階段

著者:高野 和明
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

以前から気にしていた本を出張の際に入手。
(最近良くあるパターンです)

刑務官と前科一犯の若者が、死刑囚の冤罪を晴らすべく奔走する。
現実にはありそうもないストーリーなのですが、しっかりと読ませてくれました。

前半は犯罪者、刑務所、そして死刑についても細かく描写されており、実際に死刑を執行する立場の人間について、改めて考えされられました。
自分の意思ではなく、法の立場において人命を奪うということ、かなり魂を消耗する仕事であろうと思います。

証拠品が揃っていても、死を恐れ最後まで無実を叫ぶ人、
過ちを認め、粛々と刑を受け入れる人、(むしろこちらのほうが哀しい)
被害者の遺族が赦したとしても、また、神が赦したとしても、
人が赦さない(法律的に赦されない)場合がある。
こんな場合は、どのような気持ちになるのだろうか。

「他人を殺したら死刑になる」とは解っていても、敢えて殺人を犯す人間がいる。
もし、このような人間がいなくなれば、制度があろうがなかろうが死刑は行なわれなくなる。
死刑制度を維持しているのは、国民でも国家でもなく、犯罪者自身なのだ。
またまた考えさせられます。

証拠品が発見されてからは、一転して物語のスピードが上がり、一気に読み上げてしまいました。

人が人を裁くということは本当に難しいことなのですね。
人間とは哀しい生き物なのだなあというのが感想。良かったです。

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