2008年3月 2日 (日)

「紅蓮女」 上甲宣之

書店にて偶然目についたのが、この「紅蓮女」。
上甲先生の前作も読んでいることだし、と手に取りました。

コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ) (宝島社文庫 603) (宝島社文庫) Book コスプレ幽霊 紅蓮女(ぐれんオンナ) (宝島社文庫 603) (宝島社文庫)

著者:上甲 宣之
販売元:宝島社
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普段は地味な教師が、紅蓮女の伝説を作り上げ、自らも紅蓮女のコスプレで町を徘徊する。

またまた奇想天外なストーリー。
しかし今回はいつもと違うような…。
グイグイと引っ張っていくパワーがいつもより少ないような気がしました。
いや、それともこちらが独特の文体に慣れてしまったからなのでしょうか。
今回のヒロインは今までの主人公と違って、普段の生活では、超陰気で、さらに不幸な過去を持っています。
そしてその性格は紅蓮女になった今も続いていて、コスチュームを脱いでしまえば、もとの性格に戻ってしまいます。
このような「弱さ」を持っているので、いまいちノリが悪かったのかも。
でも、さすがに中盤からは話に引き込まれていきました。

最初こそは人々を恐怖に陥れるだけの存在だった「紅蓮女」が、後半は望霊として、何らかの希望をあたえるような存在になっていきます。
そして本体の辺倉史代もだんだんと希望が持てるようになってきて…。
今までのようなスピード感が無くなったのは残念ですが、結構ストレス無く読む事ができました。

でも、やっぱり、しよりと愛子が出てくると本領発揮という感じです。
読んでいるこちらも気合が入ります。
「しより&愛子」の続編、期待しています。

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2007年12月28日 (金)

「XXゼロ 呪催眠カーズ」 上甲宣之

「そのケータイはXXで」 「地獄のババぬき」 と読み続けてきた今、やはりこの本ははずせないでしょう。
(1,000円キャッシュバックのキャンペーンも理由のひとつでしたが)

XXゼロ 呪催眠カーズ (宝島社文庫) Book XXゼロ 呪催眠カーズ (宝島社文庫)

著者:上甲 宣之
販売元:宝島社
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前記の2冊にも登場した 西園寺レイカ。
今回は彼女が主人公。
断ちバサミ ”朱鎌” と、刈込バサミ ”駆刃” を使いこなす危険な女です。
本書は、どのような理由で西園寺レイカが無敵の殺人鬼になったのかが描かれています。
とはいってもここでのレイカさまは、登場した時点で前作よりはるかに強力ではありますが…。

相変わらずのありえない設定であり、文章にもクセがありまくりなのですが、面白いです。
今回は、「呪催眠(カーズ)」により、「時速40キロ以下になると心臓発作が起きる」 とか、「密閉された空間でなければ呼吸ができない」 などさまざまな暗示をかけられてしまいます。
車の速度を落とせず、外にも出られない。
おかげで物語の緊張感もアップして、今まで以上に続きが気になってしまいページをめくる手が止まりません。

この「呪催眠」の暗示が発動するかどうかは、あくまでも自分の意識の問題だということです。
いままで平気だったのが、密閉されていないと意識したとたんに呼吸困難になってしまったりします。
本来の「催眠術」の強力バージョンとでも考えれば良いでしょうか。

ラストは 「これでいいのかな?」 と思う部分もありましたが、ストーリーはここから始まるのですから…、これからの物語に期待せずにはおられません。

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2007年12月22日 (土)

「地獄のババぬき」 上甲宣之

あの、意外に面白かった 「そのケータイはXX(エクスクロス)で」 の続編だということ。

地獄のババぬき (宝島社文庫) Book 地獄のババぬき (宝島社文庫)

販売元:宝島社
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「おいおい今度はババぬきかよ」と心の中でツッコミを入れながら手に取りました。
厚さもちょうどこのくらいが好みだし、騙されたと思って…。

その結果は、結論から言うと「前作同様楽しめました」。
文章にはクセがあるし、語り手?が次々と替わるこの小説は、一般的には好みが分かれるところでしょう。
しかし、そんなことなどおかまいなしにグイグイと引っ張っていく力があり、今回も見事にはまってしまいました。

前作の主人公「しより」と「愛子」が今度はバスジャックに遭ってしまいます。
しかもこれがただのバスジャックじゃない。
乗客は、「大泥棒」「マジシャン」「ギャンブラー」「占い師」「殺人鬼」しかも揃って超一流です。
そして前述の二人に加えて、前回は電話で応援の「弥生」も加わって…。
毒入り大福もあるし、ババぬきもある。

普通はこんなことは起きないでしょう。
そして、こんな小説も考えもしませんでした。
でも読んでしまいます。
繰り返しますが厚みも好みです。
本というものは、タイトルや表紙に惑わされずに読んでみるものですね~。

前作では「阿鹿里村」の略図が載っていて、その世界がイメージし易くなっていましたが、今回もババぬきの席順やカードの枚数が図?になっています。
これは良いのですが、それが2ページにまたがっている(しかも裏表で)のは何故なんでしょう。
気になるといえば、今回もアドバイス役に回った「物部さん」。
容姿にまつわる記述が一切ありませんでしたね。
それと前作から気になっているのですが、主人公の名前が、なぜ「しおり」ではなく「しより」なのでしょう。
気になりますね。

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2007年12月 7日 (金)

「そのケータイはXX(エクスクロス)で」 上田宣之

何度か書店で見かけていましたが、その「タイトル」と女子大生が主人公という、「いかにも…」の内容が連想され、今まではスルーしていました。
でも、映画化されると聞き、勇気を出して手に取ってみると、思ったより厚みもあり、いい感じでした。

そのケータイはXX(エクスクロス)で (宝島社文庫) Book そのケータイはXX(エクスクロス)で (宝島社文庫)

著者:上甲 宣之
販売元:宝島社
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読み始めると、山奥の村に伝わる伝説を題材にしたミステリーのようなものでした。
二人の女子大生、しよりと愛子の冒険と言ったほうが解りやすいかもしれません。

慎重な しよりは、複雑な情報が交差する中で、誰を信用すれば良いのか悩みながらも、最終的には大胆な行動力を発揮していきます。

マイペースな愛子は、信じるのは自分の行動力のみ、読んでいると こちらのほうが先が気になり、一気に読ませてくれました。

多分に小説ならではの「ご都合主義」が見えますが、この小説には充分に許容内と感じられ、気にならないのも良いところかもしれません。
簡単な阿鹿里村の地図も載っていて、イメージし易くてこういうのは大歓迎です。

しかし女子大生のパワーは凄い。
大人なのだが社会に縛られていない、時間はある、適当にお金はある、そして一般的な男性は彼女らには甘い(ような気がする)、無敵です。

映画はどのような形になるのでしょうか。
良くも悪くも、この雰囲気が出せれば良いと思います。
楽しく読むことができました。

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