2009年3月 1日 (日)

「白馬山荘殺人事件」 東野圭吾

久しぶりのミステリー、しかも定番の「雪の山荘」です。

白馬山荘殺人事件 (光文社文庫) Book 白馬山荘殺人事件 (光文社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:光文社
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ノイローゼ状態から立ち直りかけた兄が、山奥のペンション「まざあ・ぐうす」で死んだ。
亡くなる前に書いたと思われるハガキに書いてあった謎の言葉。
「マリア様が、家に帰ったのはいつか」
一年後、真実を知るためにペンションを訪れる女子大生。
そこには奇しくも同じメンバーが集まって…。

いろいろと偶発的な要素が重なりますが、今、正にミステリーを読んでいるのだという気分が盛り上がってきます。
今回のキーワードは、ちょっと馴染みのない「マザー・グース」。
どうやら謎解きは文中の素人探偵にまかせて、今回はストーリーに没頭するしかないようです。

亡き兄の後を追いかけるようにして「マザー・グース」の謎を解こうと、ペンションのマスターやシェフたちから情報を得るが、再び起きる殺人。
明らかにされるマザーグースの暗号の意味と殺人犯人。
そして、それは一年前の出来事とも繋がって…。
最終的にはいくつかの真実も明らかになって…。

こういう正統派?のミステリーを読んでいるのは、とても楽しい時間です。
こんなミステリーを何冊か抱えて、ひなびた山奥の温泉にでも行きたいな~とときどき思います。
そしてそこが雪の山荘だったら、

最高ですね。

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2008年10月19日 (日)

「容疑者Xの献身」 東野圭吾

「探偵ガリレオ」「予知夢」そして「容疑者Xの献身」へ。
ついにたどり着いたという感じです。

容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) Book 容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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執拗につきまとう別れた夫を殺してしまった母娘。

好意を持っていた数学教師の石神は、事件の処理を請け負った。

事件の捜査にあたる草薙刑事。

湯川と石神は大学時代に知り合っていた、そして石神は数学の天才であった。

母娘のアリバイは崩れない。

今回は、お互いに意識して別行動をとる湯川と草薙。

事件は解決したかに見えたが、そこには驚くべき真実が…。

読み始めたころは、「ガリレオ」シリーズの初めての長編で、いつもと同じ設定だが、今回は犯人が湯川と同じような知能犯である、といった程度のという認識しかありませんでした。
しかし、読み進めていくにつれ、これはもう少し深い内容かも、と思い始め…。
読み終えたあとには深い感動が待っていました。
ラストに向かう湯川、草薙の行動が、これで良かったのかどうかはわかりませんが、石神の行動は本当に感心させられました。

人それぞれの解釈があり、映画化ともなると大人の事情というのもあるのでしょうが、原作を読めば読むほど、映画版の石神には違和感を感じてしまいます。

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2008年10月 5日 (日)

「予知夢」 東野圭吾

「探偵ガリレオ」に続き、こちらも…。

予知夢 (文春文庫) Book 予知夢 (文春文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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設定は同じですが、今度の事件は物理学と関係あるのだろうかと思われるものも。
しかしながら、湯川の観察眼は鋭く、草薙の持ち込む事件を解決していく。

その中でも心に残ったのが、第4章「絞殺る」。
中小企業の社長が何者かに殺された。
高額の保険金をかけていたことから、その妻が疑われる。
しかし、そのアリバイは完璧なようだがどこか疑わしいところがあり…。
湯川の推理はあいかわらずの冴えをみせるが、物理的に真相を解明することばかりが事件の解決とは言えないのですね。
湯川もそのあたりを十分に考えているようです。

いよいよ「容疑者Xの献身」へ。
同じシリーズですが、長編をどのように描いていくのか興味津々です。

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2008年10月 2日 (木)

「探偵ガリレオ」 東野圭吾

福山雅治と柴咲コウでドラマ化された作品。
書店に平積みされてみんなが読み始めると、急に気持が冷めていくのは性格の問題でしょうか。
今回、「容疑者Xの献身」を読むには避けて通れないので、ついに読み始めました。

探偵ガリレオ (文春文庫) Book 探偵ガリレオ (文春文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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警視庁捜査一課の草薙刑事。
難解な事件に遭遇した時に彼が頼るのが、大学時代の同級生でである湯川。
現在は物理学科の助教授をしているが、専門の知識と冷静な洞察力で事件の本質を見抜いていく。

面白い、ミステリーは良いですね。
短編ですので、出張中に電車などで読むのにも最適です。

事件はといえば、偶然という要素は必要ですが、まさに物理学。
「確信が持てるまでは手の内を公開しないのが科学者」という湯川。
もちろん、ドラマの影響で脳内変換が起き、「湯川=福山雅治」になってしまいます。
実際にはドラマはちょっと見た程度だったのですが、(TVの)映像による影響は絶大ですね。
「解説」を読むと、湯川先生は佐野史郎さんをイメージして小説を書かれたとなっていますが、福山さんでOKですよね。
コーヒーを飲みながら読みたい一冊でした。

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2008年9月25日 (木)

「仮面山荘殺人事件」 東野圭吾

外部との連絡を絶たれた山荘。
古典的な設定ですが、やっぱり面白い。

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫) Book 仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
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久しぶりの東野作品です。
厚さも出張時に読むには最適か。

婚約者を交通事故で亡くした樫間高之。
亡き婚約者の家族の別荘で数日間の避暑を楽しむこととなる。
8人の男女が集まるこの別荘に逃亡中の銀行強盗が…。

ミステリーでは王道の設定です。
でも、考えてみると、どこでも携帯電話が使えるようになった現代では、もはやミステリーの舞台は存在しなくなってしまいます。
今後、この分野はどのように発展していくのでしょうか。
携帯を使った新たな設定か、それとも、携帯が登場する前の時代設定でいくのでしょうか。

銃器を持つ犯人に監禁される人々。
最初は何とか脱出を試みていたのだが、その中で、犯人達とは無関係の殺人が起きる。
どうも、3か月前の婚約者の死と関係しているらしい。
時間が経つにつれ、強盗犯に監禁されている状態よりも、互いに疑心暗鬼になる状態の方が苦痛となっていく7人の男女。
潜伏先で事件に遭遇した強盗犯も、興味本位からか犯人探しに加わっていく。

ミステリーを読んでいるのだから、いろいろな可能性を考えながら読んでいきます。
事故で死んだ婚約者も、別荘で殺されたものも、誰からも恨まれるような人間ではなかったことから、いろいろな推測がなされます。
小説の長さも適当だったこともあり、途中からページを繰る手が止まりませんでした。
まあ、エンディングのような選択肢も頭の中にはあるにはあったのですが…。
「まさかこんなことになっているとは」というのが感想です。
ミステリーはいいですね。

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2007年8月25日 (土)

「宿命」 東野圭吾

久しぶりに東野圭吾小説が読みたくなり手に取りました。

宿命 (講談社文庫) Book 宿命 (講談社文庫)

著者:東野 圭吾
販売元:講談社
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高校時代に恋人と別れなければならなかった男は警察官となる。
男の前に現れたのは学生時代のライバルで、昔別れた恋人と一緒になっていた。
二人は警察官と容疑者となって再び宿命の再開を…。

本の後ろに書いてあるあらすじを読むと、いかにもどろどろとした物語が思い浮かびます。
そんなイメージのせいか今まで手が出なかった作品です。
でも、いざ読み始めると(いつもの事ながら)ストーリーに引き込まれていきました。

不思議と続く幸運の連鎖、美佐子の人生を操る「糸」の存在。
苦労を重ねて刑事になった勇作と、裕福な家庭に育ちながら医者になった晃彦。
この二人の男、勇作と晃彦の不思議な因縁。
そして殺人事件によって明らかになる事実。

本の帯に「ラストを先に読まないでください」と書いてあります。
でも、実際にはそれほど大袈裟なものではありません。
(それに小説ってだいたいそういうものですよね)
まあ納得のラストでした。
東野圭吾小説、やっぱり面白いです。

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2006年11月 3日 (金)

「手紙」 東野圭吾

映画化されることを知り、久しぶりに東野圭吾氏の小説を手に取りました。
予想通り本の帯に映画のキャストの顔写真が載っていたので、できるだけそれを見ないように、意識しないようにして読み始めました。
以前「白夜行」を読んだ時に、どうしても役者さんの顔が浮かんできてしまったので…。
悪いことではないのかもしれませんが、できるだけ想像力を働かせて読みたいと思います。

手紙 Book 手紙

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋
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弟のために窃盗に入った家で、人を殺してしまった兄。
強盗殺人犯の弟として、世間から差別されて生きていく弟。

我々が意識、無意識にかかわらずに行なっている「差別」ということを、嫌でも意識させられます。
(決して「いじめ」など分かりやすいものだけではありません)
それは、人間が自分や家族を守ろうとすれば、当然のごとく起こりうるものであるらしいです。

弟は不当な扱いを受け続け、それでもなお道を踏み外さずに生きていこうとして…。
そして兄は獄中から手紙を送り続ける。

この小説からは、「差別」に対しての答えを見つけることはできませんでした。
でも、「このようなことがあるんだ」ということは強く心に感じることができました。
思いテーマにもかかわらず、最後まで惹きつけられて読み切ることができました。

映画では、「ロックバンド」ではなく「お笑い芸人」を目指したという設定になっているらしいです。
確かに、今の時代にジョン・レノンの「イマジン」では少々インパクトに欠けるのでしょうが、「イマジン」の歌詞を考えると、作者がこの曲を使った意味が解るような気がするのですが…。
映画のこと、ちょっと心配です。

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2006年2月16日 (木)

「白夜行」 東野圭吾

白夜行 Book 白夜行 

著者:東野 圭吾
販売元:集英社

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長い小説なので読み切るのに数日を要しました。
それにしてもこれは自分にとってはハードなストーリーでした。
主人公の雪穂亮司、「美貌で性格も良く誰もが想う理想の女」と「コンピュータと裏の世界に精通し、他人を信用せず冷徹な男」。
前に読んだ東野圭吾氏の小
「秘密」のように大人の魂が子供の体に宿ったりするのであれば、幼いときからこの二人のように生きて行けたかもしれない。
まともに生きたなら、人並み以上に幸せな人生を歩むこともできたであろう二人が背負っていたものは…。

巻末の解説にも書かれているように、本文中には二人が自身の気持ちを吐露する場面がほとんど無い、ただ二人のとったであろう行動が語られるだけである。
「用意周到で結果的にはどちらにもプラスになるような策略」を仕組んでいるのだが、二人で会って打ち合わせをしていたという描写が無いので、本当に二人が共謀していたのかどうかも推測にしかすぎません。
なかなか考えさせられました。

特に雪穂の場合、相手を自分の思うとおりにするために、かなり汚い手段を用いていますが、これは自分自身の幼い頃の体験によるところが大きいのでしょう。
終盤、義理の娘の美佳を策略に陥れた後に、自分の幼い時の体験を話していますが、この場面は、ある意味鬼気迫るような迫力を感じました。

結末は比較的あっさりとしていたように感じましたが、冷徹な亮司らしい幕切れともいえるのかもしれません。
雪穂は、これからも雪穂のままで生きていくのでしょう…。

03_t_3 TBS系でドラマ化されているとあって、今回購入した文庫本も「綾瀬はるか山田孝之のドラマ仕立て」の表紙になっていました。
まあ、期間限定と考えれば悪くないかと思いましたが、おかげで書店でこの本を探し当てるのにずいぶん時間をとられました。

しかし、本文を読んでいると、どうしても表紙の二人の顔が浮かんできてしまう。
やっぱりノーマルな表紙のほうが良かったのかも…。

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2006年1月29日 (日)

「むかし僕が死んだ家」 東野圭吾

むかし僕が死んだ家 Book むかし僕が死んだ家

著者:東野 圭吾
販売元:講談社

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新幹線の時刻を気にしながら、平積みの本のタイトルを見ていくと、東野圭吾氏の本がかなりの割合で置いてありました。
「容疑者Xの献身」にて直木賞を受賞した影響が大きいのでしょうね。

「昔の彼女の幼少のころの記憶を探すため、山の中の小さな白い家を訪れる。そこで二人を待ち受ける恐るべき真実とは…。」
もうこれで「つかみはOK!」早速購入となりました。
登場人物が少ない分ストーリーに集中できるので、ストレスを感じずに読み進めていくことができました。
(特に外国の小説などは、目次の次あたりにある登場人物紹介のページを何度も確認しながら読むことが多いです。自分にはカタカナの名前は馴染みにくいのでしょうか。)

まるで生活感のない白い家、だがそこには、二十年前のある時刻が正確に再現されていた。
残されていた少年の日記をもとに、彼女の幼少の記憶が明らかになっていく。
だが、果たして真実を知ることが本当に彼女のためなのだろうか?
主人公は自分の生い立ちも重ね合わせながら苦悩する。

探偵でもない主人公の推理が鮮やかすぎる感じがしますが、推理小説としては面白く読ませていただきました。
実際は幽霊もなにも出てこないのですが、彼女を一人にしたときなど妙に心配でハラハラして、急いで続きを読みたくなってしまいます。
昔の彼女で今は人妻という設定も効いていて、夫婦や恋人同士であればもっと違った行動もできたのではないかと思いますが、二人ともお互いの気持ちに微妙な距離を置いているためか緊張感が持続していきます。
エピローグがスッキリしすぎているような気がしますが、まあこれはこれで納得です。

自分も幼稚園以前のことは思い出せませんが、一般にはどうなんでしょうか?
単に忘れてしまっただけのような気もしますが…。

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2006年1月23日 (月)

「秘密」 東野圭吾

秘密 Book 秘密

著者:東野 圭吾
販売元:文藝春秋

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「不意に、いいようのない孤独感が襲ってきた。暗く先の見えないトンネルに、たった一人で取り残されたような気がした。これまで一緒に歩いてきた直子の姿はない。ただ彼女の声が聞こえるだけだ。そして彼女はすでに別の世界を歩き出している。ここにいるのは自分だけなのだ。」
娘の体に宿った妻の魂。
再び若さを手に入れた妻は、彼女の二度目の人生を後悔しないためにも医学部を目指すことになるが…。
夫にしてみれば、一度に妻と娘を失ったような孤独感を感じていた。

物語のシチュエーションとすれば、よくある話だが、残された夫にとっては辛い現実が待っていた。
彼にとって救いだったのは、仲の良い夫婦だったことと、妻が賢かったことか。
普通の人であれば若返ったら、たぶん遊んでしまうと思う。
(勉強など覚えるべきことはもう覚えているのだから)
というわけで自分には、夫の切なさが一番心に残ったのでした。

クリスマスイブの出来事で夫婦の間が気まずくなり、娘(妻)も精彩をなくす。
しかしその後、夫は事故を起こしたバスの運転手の家族の事情などを知ったことにより、今までの生活に区切りをつける決意をする。
その後、信じられないことが…。

結末にはいろいろな意見があると思うが、この二人にとってはこれで良かったのだろう。
時計店の店主の言葉には驚かされましたが、この妻だったらもう少しうまくやれたはず、
自分としては、
妻と娘の魂が融合したと信じたい。

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