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2009年4月30日 (木)

「オルファトグラム」 井上夢人

久しぶりに井上夢人さんを。
この作品は前から知ってはいたものの、手に取る機会に恵まれていませんでした。

オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫) Book オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)

著者:井上 夢人
販売元:講談社
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姉を殺された主人公。
彼自身もその場で重傷を負い昏睡状態に。
一ケ月後に目を覚ました彼はその感覚の違いに戸惑う。
嗅覚が異常に敏感になっていたのだ。
それ以来、彼には嗅覚が視覚として認識できるようになる。

通常では思いつかないような設定。
確かに現代生活においては、嗅覚に頼る部分は他の感覚に比べて異常に少ないのは事実。
そして臭いの中にはいろいろな情報が含まれているという。
犬はこのような世界に生きているのだろうか。

失踪しているバンドのメンバーを捜すためにマスコミを利用する主人公。
だが、その代償として、自らの特殊な嗅覚を公開しなければならない。

オルファクトグラム〈下〉 (講談社文庫) Book オルファクトグラム〈下〉 (講談社文庫)

著者:井上 夢人
販売元:講談社
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彼の姉を殺した犯人は同様の手口で犯行を重ねている。
犯行現場に残された犯人の臭いは彼にとって忘れることができないものであった。
大学で実験に協力しつつ、特殊能力を使い犯人の捜査も進めていくことに。
警察は犯人逮捕のために、マスコミは特番のために。
犯人の臭いを記憶しているのだから、いずれは犯人を特定できるはず。
そして驚くべきことに、この犯人はメンバーの失踪にも関連しているらしい。
ついに犯人との対決へ。

結末には納得なのですが、犯行の動機や猟奇的な行動の説明があれば、もう少しすっきりできたかも。
このアイディアとストーリーは素晴らしい。

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2009年4月19日 (日)

「扉は閉ざされたまま」 石持浅海

まさにミステリーというタイトル、気になりますね。
本の厚みもまあいいか。
本の帯に「石持浅海作品 最初に読むならコレ!!」とあるので、読む順番もOKのはず。

扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) Book 扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫)

著者:石持 浅海
販売元:祥伝社
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久しぶりに集まった大学時代の仲間。
伏見はそこで一人の後輩を殺した。
そして部屋を密室にする、いずれは発見されるだろう。
計画は完璧、感情の抑制も完璧だ。
翌日には死体が発見され、事故死と判断されるはず、だった。

大学時代の仲間はみんな仲が良さそうで、特に人間的な問題も無さそうなのですが、殺人が行なわれたのは確か。
(冒頭に殺人の描写があるので間違いない)
「何故…」

完璧だった計画は、優佳という一人の女性の疑問から数々の変更をすることに。
だがこれも想定内、「予定より早いがまあいいか」

いずれは発見されるはずの死体。
今晩中に見つかってはまずいのか、
まさか、「久しぶりの一夜を楽しんでから」というわけでも無さそうですが。

ほぼ謎を解明している優佳。
ついに扉を開ける時が来た。


まず先に事件があり、探偵が犯人の計画を崩していくというストーリーです。
動機が明らかにされていないこともあり、興味が最後まで持続します。
まあ、この動機については、まったく納得できないという人も居るはずです。
うまく表現するのは難しいのですが、「殺す」「殺さない」を決める、人の心の中の「境界線」が人によって違うということだと考えてみます。
臓器提供の話も出てきますが、これにしても、死してからの事ですから、納得できるかどうかという「気持ち」の問題です。

さて、この小説での探偵役になる、冷静で理性的な女性、優佳。
相棒(たとえば仕事等での)とすれば、これほど頼もしい女性はいないでしょう。
でも、生活を共にするとなれば、確かにこちらが少々疲れるかもしれませんね。

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2009年4月 5日 (日)

「RYU」 柴田哲孝

「TENGU」「KAPPA」 そして「RYU」。
みごとにハマってしまったようです。
「RYU」ということは、もしかしてあの爬虫類?

RYU (徳間文庫 し 32-2) Book RYU (徳間文庫 し 32-2)

著者:柴田 哲孝
販売元:徳間書店
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沖縄で撮られた写真。
そこにはまるでネス湖のネッシーのような生物が写っていた。
アラスカにいた有賀雄二郎は、愛犬のジャックと、イギリス人カメラマンのコリンとともに沖縄へ向かうことになる。
例の写真を撮ったのは、沖縄に住む永子の恋人であった米兵だった。
今回は米軍も陰でうごいているらしい。

「TENGU」に続いて今回も米軍が登場。
だいたいの騒ぎの元はここにあるような気がします。

村では昨年から家畜がいなくなる事件が発生している。
有賀たちも調査を続けるがまったく手がかりがつかめない。
川の規模から考えると大型の動物ではないらしいが、かといって、大蛇の類は沖縄では越冬することができない。
正体が解りかけていたのが、急に暗礁に乗り上げてしまう3人。

伝説の竜「クチフラチャ」を見たという一人の古老。
その竜は体に「宮古上布」(織物)を纏っていたという。
なぜか有賀はその話が気になってしかたがない。
しかし今度はその老人が行方不明に…。

老人の言葉を頼りに有賀と永子は改めて調査を開始する。
そして有賀が出した結論は…。

前2冊を読んでいるからか、だいたいは結末が想像できてしまうのですが、それでも楽しい。
アウトドア生活もあこがれてしまいます。
(実際はそううまくいかないことは解っていたとしても)

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