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2007年4月29日 (日)

「柳生十兵衛七番勝負」 津本 陽

NHKでドラマ化されている「柳生十兵衛七番勝負」。
その原案となっているのが、津本 陽 先生のこの小説です。

柳生十兵衛七番勝負 Book 柳生十兵衛七番勝負

著者:津本 陽
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「柳生十兵衛」といえば、誰でも知っている隻眼の剣士。
その流派といえば、こちらも言わずと知れた「柳生新陰流」です。

その極意に「活人剣」(かつにんけん)というものがあるのですが、今までその意味を誤解していました。
できるだけ人を傷つけたり殺したりしないようにすることを「活人剣」だと思っていました。
でも、本来は敵の技を出せるだけ出させて、相手の技の尽きたところを打つものらしいです。
こうして考えてみると、幼いころからの修練と、いかなる場合にも対応できる「心の下作り」にて、勝負において相手の動きを掌握し、有利に戦うということが「活人剣」なのであろうかと思われます。

ちなみに、相手に技を出させず、動きを封じてひたすら打つことを「殺人刀」(せつにんとう)というそうです。

この物語の中で十兵衛は、相手の拳を斬ったり、体当たりをしたり、杖を使ったりと、従来の剣技にこだわらない技を繰り出します。
「柳生新陰流」が「剣法」ではなく「兵法」と呼ばれる所以をみたような気がします。

もって生まれた素質と稽古によって超人的な強さの十兵衛ですが、
「三、四人と斬りあうとき、兵法をまったく心得ておらぬ雑兵のようなものでも、思いがけぬところから、無拍子の太刀を打ち出してくることがある。そういうときがもっとも危ないのだ。」
というようなことをも言っています。
では、そのときはどのように対処するのかというと、
「その場その場でうまく対応できるように、日ごろから『心の下作り』をしている。」
とのこと、
いついかなる時でも自分にとって万全の態勢をとれるようにしておくということです。

まったくその通りですね、見習っていきたいと思います。

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