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2007年3月10日 (土)

「輪違屋糸里(上)」 浅田次郎

「壬生義士伝」の浅田次郎先生の新たな「新選組」。
今回は、近藤勇とともに新選組局長だった芹沢鴨が中心。
物語の多くは、以前から京都に住んでいた人々、とりわけ女の人から見た視点で描かれている場面が多く、会話の中にも京都の言葉が数多く使われています。

輪違屋糸里 上 (1) Book 輪違屋糸里 上 (1)

著者:浅田 次郎
販売元:文藝春秋
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タイトルの「輪違屋糸里」というのは、輪違屋(わちがいや)の糸里(いとさと)という女性のことです。
(最初はどう読めば良いのかわかりませんでした)

上巻は、壬生に集った浪士たちが「新選組」という名前をもらうまでの出来事。
幼いころ輪違屋に連れてこられて、もうすぐ太夫になるのではないかという糸里。
新選組内でも近藤勇の一派とは馴染まない芹沢鴨とその仲間。
芹沢鴨の傍若無人な振る舞い。
隊士を住まわせている八木家、前川家の妻たち。
芹沢鴨の情婦である菱屋のお梅。
「新選組」として認められると、芹沢鴨も見直され以前よりも一目置かれるようになる。

今までは水戸藩出身の暴れ者、というのが一般的な芹沢鴨のイメージでしたので、このように書かれたものは見たことがありませんでした。
おそらく策略家の土方歳三とのかかわり合いが、物語の中で大きな部分を占めるのでしょう。

置屋に入ってきた少女は禿(かむろ)と呼ばれ、しきたりや芸事を覚えていき、半夜(はんや)から鹿恋(かこい)、天神(てんじん)、太夫(たゆう)と出世していくそうです。
この太夫というのは、容姿に加えて茶道、舞、楽器や、立ち居振舞いにおいても一流であることが求められる大変な立場なのだそうです。
よく似ていますが芸事をしない花魁(おいらん)とは違うもので、帯の結び方も花魁が前に垂らすのに対して、太夫は心の字を象って結んでいるとのことです。
ここに登場する糸里は、現在は天神ですが、実際はもう太夫になろうかという立場です。

上巻では糸里の出番はそう多くありませんが、下巻では土方、芹沢とどのような関係になっていくのでしょう。
下巻を読むのが楽しみです。

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